Forest & Music

森と音楽

「杜人」という映画 / 今年初獲りのブラックベリー

先日、「杜人」という映画を観に行きました。

環境再生医でもある矢野智徳さんを追ったドキュメンタリー映画です。一見、自然が豊かに見えるようでも、人によって変わってしまった樹木の環境があり、風の通り道と水の流れを作ることによって、弱っている樹木を元気に再生させることができるという、その実際の様子を観ました。そして、彼の持論である大地に水の流れを作ること。それは、最近どこでも見かける砂防ダムがコンクリートで完全に固めてしまうために水の抜けがなくなって、耐えきれなくなった土砂が大きな崩壊を起こしてしまうということを防ぐことにつながると言います。

彼の、自然に対する鋭い嗅覚、感覚的な行動、これは一つの考え方だなぁと、とても面白く観ました。でも誰もが同じことができるか、と言われれば、彼のような嗅覚がないとできない。一種の職人芸のようにも感じました。

 

完全を求めるために水の流れをコンクリートで堰き止めようとする砂防ダムの崩壊は、ある意味当たっているような気がします。

斜面の多い日本で、崩壊を止めることを100%にしなくてもいいのかな。昔からある「ほどほど」という意味は、意外と自然相手には当てはまるような気がするのです。

少し水が出て崩れるところもあるけれど、根こそぎ崩壊するところまではいかずに済むようなやり方が今の気候には有効なのかもしれません。誰もができるようなマニュアルが必須の今の日本に、どのような水の通り道を作ったらいいのか感覚的に分かる人は少なくなっているように思います。たぶん、自然を肌身で感じるような、ガッツリと自然に向かい合って、その道にのめり込んで生きている人が減っているからではないかしら。

 

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庭のブラックベリーが黒くなってきました。

数日前から熟した実が下に落ちていて、グルメのヒヨドリが食べ始めた跡です。ということは、そろそろ食べ頃というサインでもあります。

今朝、黒いものだけ収穫しました。

 

 

カメムシが飛び出したりして、カメムシも汁を吸いに来ていたのがバレました(笑)

 

この実も、鳥の命や虫の命を支えています。

人間から見たら、勝手に食べるな!ということかもしれませんが、少しだけおすそ分けしてもいいのでは、と最近は思っています。